日の差し込むリビングルーム

障害者視点での
全く異なる捉え方は
日常の風景を
可能性の宝庫に変える

障害者の視点が
与えてくれるもの

障害者の視点から生まれたイノベーションは、ストローや電子書籍だけに留まりません。私たちがその視点に気付いていないだけです。

一方、世の中には障害者の視点をインクルードすれば、より早くイノベーションを起こせたものもたくさんあります。そして今も尚、私たちが予想だにしない独自の文化や価値観から、新たな発見を予感させてくれます。

美味しく飲むためではなく
まず見つけるために

目の見えない人々は、どうやって飲み物を買うでしょう。お店の冷蔵庫に並ぶたくさんの缶飲料から、自分が飲みたいものを一人で手にするのは至難の技です。ところが「キリン缶チューハイ氷結」だけは別です。

商品の缶表面には、ダイヤカットと呼ばれる加工が施されています。握力の弱った高齢者でも落としにくくする工夫です。もちろん健常者にとっても「氷結」という氷の結晶感を伝え、開けた瞬間の独特な音が氷結を飲むことのワクワクを高めてくれています。最近ではこうした缶への加工が他社にも広がり、視覚障害者が買えるお酒が増えてきました。

聴くためではなく
聞かないために

イヤホンをしながらランニングする女性

私たちが純粋な音楽を楽しむために、ノイズキャンセリング・イヤホンは生み出されました。しかし聴覚過敏と言われる人たちが使う目的は反対です。

発達障害者に類する彼らは、交差点に立っているだけで吹き渡る風の音や行き交う車の音、待っている人々の会話やヘッドホンから漏れてくるミュージックまで、耳に入るあらゆる音に聞き入ってしまいます。到底、人が一度に理解できる情報量ではなく、日々過度な疲労や頭痛を感じています。そこで彼らは、ノイズキャンセリング・イヤホンを耳に入れ、周りの音を遮るためだけに使っているのです。